患者の急変対応を的確に行うためには、担当医師による正しい診断や、看護師をはじめとする医療従事者のチームワークが欠かせません。急変対応が困難な実情として挙げられるのは、夜間や早朝など医療従事者の配置が少ない時間帯があることです。短時間のうちに担当医師による診断ができず、症状が悪化するリスクが高まってしまうケースがあります。
特に規模が小さい地方の病院では、時間帯にかかわらず患者のスムーズな急変対応がが難しい場合もあるのが現状です。そのため、近隣の公立病院や大学病院などへ、応援を依頼するケースも珍しくありません。また、元から重篤な疾患を抱えている患者については、急変後すぐに集中治療室への搬送、人工呼吸器や心電図モニターなどの設置が必要となることもあります。

このような慌ただしい状況の中で、看護師は冷静に対応しなければいけません。たとえば、普段から万一の事態に備えて、医療従事者間で担当患者の情報を共有したり、信頼できるデータをもとにケーススタディをしたりするのが有効です。そのほか、患者の急変を想定してトレーニングをするため、職場内の研修や外部の勉強会などの機会を利用するのも良いでしょう。
また、高齢かつ複数の基礎疾患がある患者や、認知症などコミュニケーションを取るのが難しい患者については、急変の原因を特定するまでに時間がかかる傾向にあります。そこで、医師だけでなく医療従事者が普段から連携を図ることが大切です。加えて、検査や処置の手順を看護師一人ひとりがよく把握しておくことも重要なので、参考にこちらを読んでみてはいかがでしょうか。